この記事で分かること(目次)
1. 性能評価って何?
コンピュータやシステムを選ぶときに「どれくらい速いのか」「どのくらい処理できるのか」を比べる必要がありますよね。
そのために、客観的な基準でシステムを測るのが「性能評価」です。
2. 性能評価の方法
(1) ベンチマーク
- 実際のプログラムやテスト用の処理を走らせて、その処理時間を比較する方法。
- 例:画像処理ソフトを動かして「10秒で処理できるPC」と「15秒かかるPC」を比べる。
- 特徴:現実的な性能が分かるが、テスト方法によって結果が変わることもある。
(2) MIPS(Million Instructions Per Second)
- 「1秒間に何百万命令を処理できるか」を表す指標。
- 例:100 MIPS = 1秒間に1億命令を実行できる。
- 長所:わかりやすい。
- 短所:命令の内容によって処理時間が変わるため、「実際の速さ」と必ずしも一致しない。
(3) FLOPS(Floating Point Operations Per Second)
- 「1秒間に何回の浮動小数点演算(小数の計算)を処理できるか」。
- 科学技術計算やAIの分野で重要。
- スーパーコンピュータの性能指標に使われる。
(4) スループット
- 単位時間あたりに処理できる「仕事量」。
- 例:1時間で1万件のデータ処理ができるサーバなら、スループットは「1万件/時間」。
(5) レスポンスタイム
- 処理を依頼してから結果が返ってくるまでの時間。
- 例:検索ボタンを押して、画面に結果が出るまでの時間。
(6) ターンアラウンドタイム
- ジョブ(仕事)を提出してから、すべての処理が完了して結果が戻ってくるまでの時間。
- バッチ処理などで使う。
3. 幼稚園児でもわかる例え
- ベンチマーク → かけっこをして、どの子が速いか比べる。
- MIPS → 「1秒間に何歩走れるか」を数える。
- スループット → 1時間でどれだけのケーキを作れるか。
- レスポンスタイム → 「ケーキちょうだい」と言ってから、最初のひと切れが出てくるまでの時間。
- ターンアラウンドタイム → 注文してからケーキが全部そろうまでの時間。
4. 過去問でチェック!
過去問①(平成28年春 午前)
コンピュータシステムのスループットを説明したものはどれか。
A. 一つのジョブの処理に要する平均時間
B. 単位時間当たりに処理できるジョブの数
C. 処理要求を出してから応答があるまでの時間
D. システムの最大記憶容量
👉 正解:B
過去問②(平成29年秋 午前)
コンピュータの性能評価指標であるMIPSの説明はどれか。
A. プログラム1行当たりの命令数
B. 1秒間に実行できる浮動小数点演算の回数
C. 1秒間に実行できる命令数(百万単位)
D. 1秒間に処理できるバイト数
👉 正解:C
過去問③(令和元年秋 午前)
コンピュータのレスポンスタイムの説明はどれか。
A. システム全体が処理できるジョブの量
B. 処理要求を出してから応答があるまでの時間
C. ジョブを投入してから終了するまでの時間
D. プログラム1命令の平均実行時間
👉 正解:B
まとめ
- 性能評価にはいろんな「ものさし」がある。
- ベンチマークは現実のテスト、MIPS/FLOPSは計算能力、スループットやレスポンスタイムは使い勝手に直結する。
過去問例:
50MIPSのプロセッサの平均命令実行時間はいくらか?
① 問題の整理
- 50 MIPS のプロセッサ
- MIPS = Million Instructions Per Second(100万命令/秒)
- つまり「1秒間に 50 × 10^6 個の命令を実行できる」という意味です。
求めたいのは 1命令あたりにかかる時間(平均命令実行時間) です。
② 計算の流れ
- 1秒あたりに実行できる命令数 50×106 命令/秒50 \times 10^6\ \text{命令/秒}50×106 命令/秒
- 1命令あたりの時間 = 「1秒」÷「命令数」 150×106 秒\frac{1}{50 \times 10^6}\ \text{秒}50×1061 秒
- 計算すると =2.0×10−8 秒= 2.0 \times 10^{-8}\ \text{秒}=2.0×10−8 秒
- これをナノ秒(ns)に直すと 20 ns20\ \text{ns}20 ns
③ 単位(ミリ、マイクロ、ナノ)の考え方
秒を小さく刻んでいくと、以下のようになります:
- 1秒 = 1s
- 1ミリ秒(ms) = 10^-3 秒 = 0.001 秒
→ 千分の1秒
(例:まばたきはだいたい数百 ms) - 1マイクロ秒(μs) = 10^-6 秒 = 0.000001 秒
→ 百万分の1秒
(例:カメラのシャッターで速いものは数 μs) - 1ナノ秒(ns) = 10^-9 秒 = 0.000000001 秒
→ 十億分の1秒
(例:CPUやメモリのアクセス速度)
つまり、
「1ミリ秒 = 1000マイクロ秒 = 100万ナノ秒」になります。
④ この問題の答え
50MIPSのCPUは 1命令あたり平均 20ナノ秒 で実行できる。
