【Day4】補助記憶装置のこと

投稿者: | 2025年6月13日

こんにちは!今回は、**補助記憶装置の内部構造(HDD)**について、図を交えながら分かりやすく解説していきます。


◆ 図で見る!ハードディスクの基本構造

📘 ハードディスク(HDD)の構造概略:

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         │     トラック         │   ← 同心円状の記録領域
         │   ┌──────────────┐
         │   │セクタ(扇形)│   ← トラックを分割した最小単位
         │   └──────────────┘
         └─────────────────────┘
(上から見たディスク面)
  • トラック(Track):ディスクを円形にスライスした同心円状の記録線
  • セクタ(Sector):トラックをさらに扇形に分割した部分。HDDはセクタ単位で読み書きします。

🌀 シリンダとは?

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 │  ↑          │ ← 読み取りヘッド
 │  │ ┌────┐ │
 │  ▼ │ディスク1│ ← トラック1
 │     └────┘
 │     ┌────┐
 │     │ディスク2│ ← トラック1(同じ半径)
 │     └────┘
 │     ┌────┐
 │     │ディスク3│ ← トラック1(同じ半径)
 │     └────┘
 └────────────┘
→ この“縦のまとまり”=**シリンダ(Cylinder)**
  • シリンダ:複数のディスクにおいて、同一のトラック番号(同心円)の集まりです。ディスクが重なっている構造の中で、「垂直方向に同じ位置にあるトラック群」を指します。

◆ 用語のまとめ

用語説明試験でのポイント
トラックディスク表面の同心円状の記録領域データの記録単位の一つ
セクタトラックを分割した最小単位(読み書きの単位)容量計算やアクセス単位として出題される
シリンダ同一トラック番号のディスク面を縦に束ねた集合アクセス効率の理解に必要
クラスタ複数セクタをまとめた管理単位(OS視点)ファイルシステム関連で登場する

 では今までにどんな問題が出たか調べてみました。

✅ 過去問1:容量計算(セクタ・トラック・シリンダ)

平成31年春 午前 問24
ある磁気ディスク装置は、1つのシリンダ当たり5トラックあり、1トラック当たり100セクタ、1セクタの記憶容量は512バイトである。このとき、1シリンダ分の記憶容量は何バイトか?


🔍 解き方

Step 1:セクタのサイズ → 512バイト

Step 2:1トラック = 100セクタ → 512 × 100 = 51,200バイト

Step 3:1シリンダ = 5トラック → 51,200 × 5 = 256,000バイト



✅ 過去問2:HDDとSSDの特徴比較

令和元年秋 午前 問23
SSDの特徴として適切なものはどれか。

A. データの読み書き時にディスクが回転するため、アクセス速度はHDDと同程度である
B. 機械的な可動部分がないため、振動や衝撃に強い
C. 書き込み寿命が無制限なので、耐久性はHDDよりも高い
D. コストパフォーマンスが高いため、HDDよりも一般的に低価格である


🔍 解き方

  • A:誤り。SSDはディスクが回転しない(フラッシュメモリ)
  • C:誤り。SSDには書き込み回数制限がある
  • D:誤り。HDDの方が容量単価は低い


✅ 過去問3:アクセス方式の理解(ランダム vs シーケンシャル)

平成30年春 午前 問25
記憶装置のアクセス方式に関する記述のうち、ランダムアクセス方式に該当するものはどれか。

A. テープ装置のように、アクセスしたいデータの位置まで順番に読み進める方式
B. 任意の記憶位置に、直接アクセスできる方式
C. データを一定間隔で順に読み書きする方式
D. 最後にアクセスした位置からの相対位置でアクセスする方式


🔍 解き方

  • A:テープ装置=シーケンシャルアクセス → ✕
  • C:これはシーケンシャル
  • D:これは相対アドレス指定などで使う概念


✅ この分野の出題傾向まとめ

問題タイプ内容対策ポイント
容量計算系セクタ×トラック×シリンダ単位換算、掛け算が基本
装置比較系HDDとSSDの特徴特徴を表で覚えるのが効果的
アクセス方式系ランダム or シーケンシャル記憶媒体の種類ごとに覚える
ファイル管理系クラスタ、ブロックサイズなどOSレベルの記憶管理理解が必要

🔚 まとめ

セクタ・シリンダといった物理的な概念から、アクセス方式やデバイスの特徴比較まで、補助記憶装置の分野は「定番」で、得点源にしやすいテーマです。
特に「容量計算」は出題頻度が高いので、「1セクタの大きさ × セクタ数 × トラック数 × プラッタ数」といった計算式をしっかりマスターしようと思います!